こんにちは。山本雄士ゼミスタッフです。
今回は、主にゼミに来ていただいて間もない方に向けて、「ケースディスカッションの予習で注目したいこと」をQ&A形式でご紹介します。
Q: まず、ケースディスカッションってなに?
A: マネジメントの現場で日々繰り返される意思決定への訓練を目的とした教育手法です。ある実際の事例に基づくケース・スタディ(事例研究)をあらかじめ読んできて、参加者のみなさんでのディスカッションをしていきます。講師はファシリテーターを務めます。講師が問いを立て、参加者は挙手の上で発言し、それに講師が応答する形で展開していきます。ハーバードをはじめ、世界中のビジネス・スクールで用いられている授業の形式です。
詳しくは、別のブログ記事をご覧ください。
Q: なるほど。ケース・スタディっていうのはどういうものなの?
A: ゼミで用いているケース・スタディは、基本的にハーバード・ビジネス・スクールの教授陣が執筆し、ハーバードのMBA(経営管理学修士)課程の授業で用いられているものです。
ケース・スタディでは、特定の病院や企業などを舞台に、特定の時期に生じた事実が淡々と述べられていきます。「何が起こった」とか「何某がこう言った」などといった記述が大半を占め、執筆者による価値判断は含まれていないことが大半です。また、事実も必ずしも体系立って記述されているわけではなく、同じテーマに関する情報がケース中に散在している場合もあります。
Q: なんだかまどろっこしいね。もっと言いたいことを分かりやすく書いてくれればいいのに。
A: このようになっているのは、ケースディスカッションの「マネジメントの現場で日々繰り返される意思決定への訓練」という目的と深く関連があるとされています。現実での意思決定のためには、まず意思決定の目的を明確にした上で、組織内外で起こる様々な事象から有用な情報を選択して整理する必要がありますが、ケース・スタディはあえて現実世界を模倣し、情報を整理されない形で提示しているのです。
Q: なるほど。意思決定の目的を軸にして情報を整理するのがいいいんだね。じゃ、意思決定の目的はどこかに書いてあるの?
A: 大抵、1つのケースに対して、中心となる意思決定の目的が1つあります。執筆者のスタイルにもよりますが、ケースの最初と最後の部分を読むと明らかになることが多いようです。企業全体の戦略決定、業績や人材に対する評価、成功した要因の分析、失敗している状況の把握、などなど、ケースによってテーマは様々です。
次に、必要な情報は何かを考えてみましょう。ケースのテーマとなる問いかけに答えるためには、どのような種類の情報が必要でしょうか?
ここまでで、注目するポイントがある程度整理できました。その上で、ケースを読んでみましょう。必ずしも初めから読む必要はなく、見出しを参考にしながら注目したいポイントごとに読んでももちろんOKです。
Q: 大学とかの講義の予習とは随分感じが違うね。ちょっと大変そう…?
A: おっしゃる通りです。ケースに基づいて行われるケースディスカッションの予習は、講義の予習と性質を大きく異にしています。「内容をどれだけ覚えたか」が重視されるのが講義だとすれば、「ケースに基づいてどれだけ考えるか」が重視されるのがケースディスカッションとなるでしょう。
とはいえ、このスタイル慣れていくのにはそれなりに時間がかかります!はじめからカンペキな予習ができる人などいません。私(ゼミ長)も半年くらいは勘ドコロが掴めないままでした。あまり予習ができなさそうな方でも、まずは当日のゼミの雰囲気を楽しんでいってください!いけそうな箇所があったら発言してみて、さらに感覚をつかんでみましょう。
2020年4月現在、COVID-19の影響で日本橋での通常開催は見通しが立っておりませんが、オンラインでの開催も含めた代替策を検討しております。
日本橋でもオンラインでも、ケースディスカッションの場でみなさまにお会いできますことをスタッフ一同お待ち申し上げております。
日本語で頂いた資料を何度か読み、文書中に現れた人名(アニューリン・ベヴァン)など多数の名前を検索しているのですが、歴史上の人物の名前でもなかなか英語の綴りが分からなくて、少しだけですが、困っています。アニューリン・ベヴァンの綴りを知りたいです。