• 山本雄士ゼミ学生スタッフ

開催報告:2019年度第3回〜各国の医療制度を産業構造として読み解く〜



【ケース:U.S. Healthcare Reform: International Perspectives】 オバマケアのもたらした改革の意味を、ドイツ・イギリスの医療制度改革を参照しながら紐解くケースです。 ケースディスカッションのオープニングでは、医療業界のプレイヤーとその間の関係性の列挙を行いました。保険の仕組みの概観について山本氏のショートレクチャーの後、保険償還の範囲と償還方法(出来高・定額・人頭など)の整理を行いました。その後、医療業界のプレイヤーも利益を上げなければならない経済主体であるとの前提のもと、医療者・保険者がそれぞれ収入を増やす/支出を減らす方法についてロールプレイ的に参加者のみなさまに考えていただきました。出来高払いなど一部の償還方式ではプレイヤーに対する経済的インセンティブと患者の利益が対立しうることを実感できた、との感想をのちに参加者の方からいただきました。また、保険者の利益を最大化するには、加入者を健康な富裕層とするのが思いつきやすい一方、そもそもそのような人たちは自分で医療費を払おうとするので保険加入しない、というジレンマも指摘され、国民全員に加入が義務付けられる皆保険はそのジレンマを解消するための妥当な枠組みであるとの方向で会場の意見が一致しました。その中で、「医療のバリューを定義するのは厚労省でも医療経済学者でもなく医療提供者自身である」と山本氏が医療者としての矜持を表明し、会場が迫真感に包まれました。ケース自体について扱う時間は20~30分程度でしたが、各制度の深掘りというよりも医療制度を検討する際の視座を参加者に共有してもらうゴールを達成できた回となりました。

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